2018年 成人式
今年は3年ぶりに成人式に出席させていただいた。
僕の最後の担任をしたあの子たちの晴れ舞台だ。
とても濃厚なそして忘れることができない3年間だった。
君たちと過ごした名もなき毎日がキラキラしていて、
とても手のかかる、とてつもなく可愛くてしかたない君たち。
3年間かかって君たちと創り上げた写真詩集も、
あの何とも言えない感動をともにした学校祭も、
君たちとしか作れなかった想い出がいっぱいある。
君たちとの想い出を語りだしたら、数えきれないくらいある。
でも、
君たちとの思い出を語るには、避けては通れないあの日の出来事がある。
忘れてはいけない、そして目を背けてはいけないあの日の出来事が。
大切な仲間を失った、あの夏の日。
テレビから流れたニュースは遠い世界の出来事なんかじゃなく、
昨日まで横にいたあいつの信じられない悲しいニュースだった。
あの日、僕は正直、現実が受け止められず、ただただ呆然としていた。
ただ誰とも会いたくなくて、逃げ出したくて。
でもそれを救ってくれたのは紛れもなく君たちだった。
心配でメールをくれた奴がいた。心配で手紙をくれた奴もいた。
一番傷ついていたのは、君たちだったはずなのに、
それでも僕を気遣ってくれる心が痛いほどに有難かった。
今の僕がいるのはあの時の君のおかげだと。ありがとう。
どこにも向けられないイライラをぶつけた奴もいて、
必死にその現実を受け止めようと、もがいてた奴もいて、
小さな心で必死に「生きる」ってことと向き合っているように見えた。
それからしばらくして、君たちはそれぞれの道へ巣立っていった。
それぞれがあの日を、それぞれのあいつの想いを背負って歩き出した。
卒業してたまに出会う君たちは、少しずつ大人へと成長していて、
年を重ねるごとに素敵になっていく君たちにホッと胸をなでおろす。
僕はあの日以来、もがいている。
「生きる」ってことの大切さと素晴らしさに、もがいている。
目の前にいるどーしようもない教え子たちに、
全力で向き合うこと、全力で伝えることが償いだと思って。
僕に残されている日が何年あるかは分からないけど、
「生きる」ってことにまっすぐ向き合おうと真剣だ。
伝えたいと思える教え子が目の前にいるってことが幸せだ。
伝えることができるってことは、当たり前じゃない。
ある日突然、伝えることができなくなる悲しさを僕は知っている。
だから、想いをちゃんと「伝える」。それが僕の贖罪だと背負って。
僕の職員室の机には今もあいつの名札がはさんである。
毎日、あいつに挨拶して、
「よし。今日も生きるんだ」って気合を入れるんだ。
君たちもちゃんと生きてるか?
夜も眠れないくらい、頭を抱えて悩んでいるか?
腹が筋肉痛になるくらい、腹を抱えて笑っているか?
体中の水分が全部なくなるくらい、涙を流して泣いているか?
今日が人生最高の日だと、両手を突き上げ喜んでいるか?
人生がひっくりかえるくらいの感動をしているか?
僕たちは他の誰よりも、しっかり「生きる」。
人生を横臥して、これ以上ない人生を歩くんだ。
成人式の日は式典しか参加できなくてごめん。
君とも、お前とも、あなたとも、ゆっくり話をしたかったけど、
まずは目の前の教え子と目の前の生活に全力で向き合いたくて。
またゆっくりと酒を飲みながら、話をしよう。
あの日の思い出と、そして今の君の話を聞かせて欲しい。
お互いまた会おう日まで。しっかり生きよう。
20歳。おめでとう。
今年成人した山田結です。覚えていますでしょうか?私もあの日の事は鮮明に覚えております。ですが、あの日から一日一日を丁寧に生きよう、大切にしようと思えるようになりました。一度きりの人生、思いっきり過ごそうと今でも思っています。先生とは1年の時の担任の先生であり、3年間共に過ごしてきた大切な先生です。どうか、これからも自分を大切に過ごしていってください。私も今年から晴れて社会人になります。夢も叶えることが出来ました。毎日毎日を全力で生きていきます。
また、私たちの代と食事会でも出来たらなと思ってます。その時まで一生懸命頑張りましょう!